現在、免税事業者である事業者が、インボイス制度の実施後も免税事業者であり続けた場合、必ず取引に影響が生じるのでしょうか。
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インボイス制度の実施後も、免税事業者の売上先が以下のどちらかに当てはまる場合は、取引への影響は生じないと考えられます。
① 売上先が消費者又は免税事業者である場合
消費者や免税事業者は仕入税額控除を行わないため、インボイスの保存を必要としないからです。
② 売上先の事業者が簡易課税制度を適用している場合
簡易課税制度を選択している事業者は、インボイスを保存しなくても仕入税額控除を行うことができるからです。
そのほか、非課税売上げに対応する仕入れについては仕入税額控除を行うことができませんので、例えば医療や介護など、消費税が非課税とされるサービス等を提供している事業者に対して、そのサービス等のために必要な物品を販売している場合なども、取引への影響は生じないと考えられます。
【参考1:簡易課税制度の適用を受けられる事業者とは】
簡易課税制度の適用を受けられる事業者は、前々年(個人)又は前々事業年度(法人)の課税売上高が5,000万円以下である事業者です。
簡易課税制度は、課税事業者の約35%の事業者が、そのうち個人事業者である課税事業者については約55%の事業者が適用を受けています(令和2年度国税庁統計年報より)。
【参考2:非課税とは】
消費税は「消費」に対して、広く、公平に負担を求めることとしており、基本的にすべての財・サービスに課税されるものですが、
税の性格から課税対象とならないもの(土地の譲渡,有価証券の譲渡,貸付金利子など)
や
社会政策的な配慮に基づき課税対象とならないもの(医療、社会福祉事業、学校の授業料、住宅の貸付けなど)
については、「非課税」とされ、消費税は課されないこととなっています。
以上です。