消費税のインボイス制度が実施されて変わることはなんでしょうか。
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インボイス制度の実施後も、売上げに係る消費税額から、仕入れに係る消費税額を控除(仕入税額控除)し、その差引税額を納税するという消費税の原則は変わりません。
また、インボイス制度の実施後も、簡易課税制度(注1)を選択している場合は、現在と同様、売上げに係る消費税額に一定割合(みなし仕入率)を乗じて仕入税額控除を行うことができます。
一方、簡易課税制度を選択していない場合、仕入税額控除を行うためには、適格請求書(注2)(インボイス)の保存が必要となります。
インボイスは、課税事業者が適格請求書発行事業者(注3)の登録を受けることで、発行できるようになります。
課税事業者間の取引では、売手は現在使用している請求書等の様式に登録番号等を追加することなどが必要になり、買手(簡易課税制度を選択していない場合)は受け取ったインボイス及び帳簿を保存することで仕入税額控除を行うことができます。
また、インボイスには消費税率や消費税額が記載されるため、売手は納税が必要な消費税額を受け取り、買手は納税額から控除される消費税額を支払うという対応関係が明確となり、消費税の転嫁がしやすくなる面もあると考えられます。
なお、インボイス制度実施に伴う事業者の対応として、インボイス制度の実施までに、適格請求書発行事業者となる売手では、端数処理のルールの見直しを含めた請求書等の記載事項やシステムの改修等への対応が必要となる場合があります。
また、交付したインボイスの写しの保存等や、 仕入税額控除を行おうとする買手では、新たな仕入先が適格請求書発行事業者かどうかの確認や、受け取ったインボイスが記載事項を満たしているかどうかの確認が必要となる場合があります。
このような事業者の対応に向けては、改正電子帳簿保存法の活用を図るほか、デジタル化の推進のための専門家派遣やITの導入支援などを行います。
なお、簡易課税制度を適用している事業者は買手としての追加的な事務負担は生じません。
(注1)基準期間(個人の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)における課税売上高が5,000万円以下の事業者について、売上げに係る消費税額に、業種ごとに定められた一定割合(みなし仕入率)を乗じることにより、仕入税額を計算する仕組みです。適用を受けるためには所轄税務署長への事前届出が必要となります。
(注2)現行制度において保存が必要となる区分記載請求書の記載事項に加えて「登録番号」、「消費税率」及び「消費税額等」の記載が必要となります。
(注3)インボイス制度が実施される令和5年10月1日から登録を受けようとする事業者は、原則として令和5年3月31日までに登録申請書を所轄税務署長に提出する必要があります。
以上です。