顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供する「出張料理」は、軽減税率の適用対象となるのでしょうか。
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軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」には、「相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」(いわゆる「ケータリング、出張料理」)は含まれないこととされています(改正法附則 34①一ロ、軽減通達 12)。
いわゆる「ケータリング、出張料理」は、相手方が指定した場所で、飲食料品の提供を行う事業者が食材等を持参して調理して提供するものや、調理済みの食材を当該指定された場所で加熱して温かい状態で提供すること等をいい、具体的には以下のような場合が該当 します。
① 相手方が指定した場所で飲食料品の盛り付けを行う場合
② 相手方が指定した場所で飲食料品が入っている器を配膳する場合
③ 相手方が指定した場所で飲食料品の提供とともに取り分け用の食器等を飲食に適する状態に配置等を行う場合
したがって、ご質問のいわゆる「出張料理」は、顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供していることから、「相手方の指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供」に該当し、軽減税率の適用対象となりません。
なお、「相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供」であっても、次の施設において行う一定の基準を満たす(※1)飲食料品の提供については、軽減税率の適用対 象とされています(改正法附則 34①一ロ、改正令附則3②)。
① 老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者(※2)に対して行う飲食料品の提供
② 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供
③ 学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該義務教育諸学校の設置者が、その児童又は生徒の全て(※3)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
④ 「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」第2条に規定する夜間課程を置く高等学校の施設において、当該高等学校の設置者が、当該夜間過程において行う教育を受ける生徒の全て(※3)に対して夜間学校給食として行う飲食料品の提供
⑤ 「特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律」第2条に規定する特別支援学校の幼稚部又は高等部の施設において、当該特別支援学校の設置者が、その幼児又は生徒の全て(※3)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
⑥ 学校教育法第1条に規定する幼稚園の施設において、当該幼稚園の設置者が、その施設で教育を受ける幼児の全て(※3)に対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供
⑦ 学校教育法第1条に規定する特別支援学校に設置される寄宿舎において、当該寄宿舎の設置者が、当該寄宿舎に寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う飲食料品の提供
※1
上記①~⑦の施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。また、累計額の計算方法につきあらかじめ書面で定めている場合にはその方法によることとされています(平成28年財務省告示第100号)。
※2
60歳以上の者、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者又はそれらの者の配偶者に限られます。
※3 アレルギーなどの個別事情により全ての児童又は生徒に対して提供することができなかったとしても軽減税率の適用対象となります。
以上です。