4月16日に更新された「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」からの情報です。
既に当ブログに掲載されていることが多いので、4月30日に公開された当ブログへの未掲載のもののみ御紹介します。
《個別指定により申告期限の延長をした場合の口座からの振替日について》
個別指定による期限延長により令和2年4月 17 日(金)以降に申告される方の口座 からの振替日は、税務署から個別に連絡されるようです。
なお、新規に振替納税の利用を希望される方は、延長後の期限(※)までに所轄の税務署へ「預貯金口座振替依頼書」を提出する必要があります。
※ 申告と同時に申告期限の延長申請をされる場合は、申告の日が延長後の期限になりますので、申告書 と併せて「預貯金口座振替依頼書」を提出する必要があります。
《新たに設けられた特例猶予制度について》
新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置の影響により、多 くの事業者等の収入が減少しているという状況を踏まえ、以下の条件を満たす場合には、 令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までに納期限が到来する国税について、「財産 の損失」が生じていない場合でも無担保かつ延滞税なしで1年間納税の猶予を受けられる制度が創設されました(特例猶予)。
① 新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か 月以上)において、事業等の収入が前年同期と比較して、概ね 20%以上減少している こと
② 一時に納税することが困難であること
(注)
すでに納期限が過ぎている未納の国税であっても、令和 2 年6月 30 日までであれば、遡って特 例猶予を申請できます。
特例猶予の適用を受けるためには、税務署への申請が必要です。
《収入が大幅に減少した場合》
新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言により、経営する飲食店 の営業時間を短縮し、収入が激減しました。 このような場合に、今般創設された特例猶予は受けられますか
〇 お尋ねのように、緊急事態宣言(外出自粛要請)を受けて収入が減少している場合、 以下のいずれの要件も満たせば、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までに納期 限が到来する国税について、特例猶予を受けられます。 特例猶予の適用を受けたときは、延滞税が免除されます。 ① 新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か 月以上)において、事業等にかかる収入が前年同期に比べ概ね 20%以上減少している こと ② 一時に納税することが困難であること 〇 特例猶予を受けられない場合であっても、収入の減少により事業につき著しい損失が 生じているときは、従来からある納税の猶予を受けられることがあります。 なお、この場合の納税の猶予を受けたときは、延滞税が軽減されます。 ※ 令和2年における延滞税の軽減については、年 8.9%の割合が年 1.6%の割合となります
《財産(棚卸資産など)に損失が生じた場合》
新型コロナウイルス感染症の患者が発生したことに伴う消毒作業により、 仕入れていた食材を廃棄した場合、納税の猶予が受けられます。
・納税者が財産に災害を受けたことにより国税を一時に納付できないときは、従来からある「納税の猶予」の制度に基づき、税務署に申請を行うことにより、最大で1年間の 分割納付が受けられます。
新型コロナウイルス感染症の患者が発生したことに伴う消毒作業に より、仕入れていた食材を廃棄した場合は、「納税の猶予」が受けられることがあります。
なお、この場合の納税の猶予を受けたときは、延滞税が免除されます。
※ 「納税の猶予」が受けられない場合でも、「換価の猶予」が受けられる場合があります(4/13の当ブログ参照)。
《事業に著しい損失や著しい売上の減少が生じた場合》
新型コロナウイルス感染症の影響で予約キャンセルが相次いだため、 事業に著しい損失が生じた場合、納税の猶予が受けられます。
・納税者が事業に著しい損失を受けたことや著しい売上の減少があったことにより国税 を一時に納付できないときは、従来からある「納税の猶予」の制度に基づき、税務署に申請を行うことにより、最大で1年間の分割納付が受けられます。
新型コロナウイルス感染症の影響で予約キャンセルが相次ぎ、事業 に著しい損失が生じた場合は、「納税の猶予」が受けられることがあります。
なお、この場合の納税の猶予を受けたときは、延滞税が軽減されます。
※ 「納税の猶予」が受けられない場合でも、「換価の猶予」が受けられる場合があります(4/13の当ブログ参照)。
※ 令和2年における延滞税の軽減については、年 8.9%の割合が年 1.6%の割合となります。
《納税猶予制度の必要書類について》
受けようとする猶予の種類に応じ、
・猶予の申請書
・本年と昨年の収支状況が記載された元帳や売上帳などの帳簿(注)
・手元資金の有り高が分かる現金出納帳や預金通帳など
を準備する必要があります。
場合によって、他にも書類が必要となる場合があります。
なお、書類の準備が困難な場合は、税務署の徴収担当が書類に記載すべき項目につい て、聞き取りにより確認するなどの対応を行っているようです。
《担保の提供について》
新たに設けられる特例猶予制度の適用を受ける場合には、担保の提供は不要です。
その他の猶予制度の適用を受ける場合には、通常は担保が必要となりますが、新型コ ロナウイルス感染症の影響により納付の猶予制度の適用を受ける納税者については、財産の状況などから担保の提供ができることが明らかである場合を除き、担保は不要として取り扱われています。
《企業が生活困窮者等に自社製品等を提供した場合の取扱い》
新型コロナウイルス感染症に関連して、たとえば、今般の感染症の流行が終息する までの間の緊急支援の取組みとして、自社製品(食料品)を学童保育施設、子供食堂、 社会福祉施設、生活困窮者支援団体、フードバンク活動を行う団体などに対して無償 で提供し、施設へ通う子供達や生活困窮者等への支援を行う予定です。 このような支援のために行った自社製品の提供に要する費用は、法人税の取扱上、 寄附金以外の費用として、その提供時の損金の額に算入することができます。
自社製品等の提供が、今般の新型コロナウイルス感染症に関する対応とし て、不特定又は多数の生活困窮者等を救援するために緊急、かつ、今般の感染症の流行が終息するまでの間に限って行われるものであれば、その提供に要する費用(配送に係る費用も含みます。)の額は、提供時の損金の額に算入してよいものとされています。
※ 自社製品等には、他から購入した物品やサービスの提供を業務とする法人が行う役務の提供も含みます。
以上です。