令和元年12月に国税庁の新しいFAQが公表されましたので、当ブログで数回に分けて特集しています。全部で32項目ありますが、今日は28番目の項目についてです。
従業員からの要望を受け、労働協約で別段の定めを設け、月々の給与等の一部を取引所で売買可能な仮想通貨で支払うこととした場合、この給与に係る所得税の源泉徴収をどのように行えばよいのでしょうか。
(例題)
10月10日 従業員の9月分給与について、200,000円を現金で支払い、一部を当社が保有する仮想通貨(給与支給時の取引価格は50,000円)で支払った。
(答)
従業員の給与の支給額は、現金200,000円と仮想通貨の価額50,000円を合計した250,000円となりますので、250,000円を給与の支給額(月額)として源泉徴収税額を計算することになります。
給与は、金銭で支給されるのが一般的ですが、お尋ねのケースのように、労働協約で別段の定めを設け、給与の一部を仮想通貨で支給する場合、その仮想通貨による支給分も給与所得の収入金額に該当します。
したがって、源泉徴収義務者である貴社は、給与の支払の際、仮想通貨の支給分も合わせて源泉徴収税額の計算を行うことになります。
なお、現金以外の現物給与については、その経済的利益を評価する必要がありますが、仮想通貨の場合は、その支給時の価額で評価することになります。
【根拠規定】
所法28、36、183
以上です。