令和元年12月に国税庁の新しいFAQが公表されましたので、当ブログで数回に分けて特集しています。全部で32項目ありますが、今日は22番目の項目についてです。
(例)
当社(法人)は、事業年度終了の時に仮想通貨を保有していますが、期末に何らかの処理をする必要はあるのでしょうか。
(答)
法人が事業年度終了の時に仮想通貨を保有する場合は、その仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨(注)(本問において「市場仮想通貨」といいます。)は、時価法により評価した金額(本問において「時価評価金額」といいます。)をもってその評価額とする必要があります。
また、その市場仮想通貨を自己の計算において保有する場合には、その評価額と帳簿価額との差額(本問において「評価損益」といいます。)をその事業年度の益金の額又は損金の額に算入する必要があります。
会計上、法人が事業年度終了の時に市場仮想通貨を保有する場合は、時価法により期末評価することとされていることを踏まえ、税務上も同様の取扱いをすることとされています。
なお、時価評価金額は、仮想通貨の種類ごとに次のいずれかにその仮想通貨の数量を乗じて計算した金額とされています。
① 価格等公表者によって公表されたその事業年度終了の日における市場仮想通貨の最終の売買の価格(※1)
(※1) 公表された同日における最終の売買の価格がない場合には、同日前の最終の売買の価格が公表された日でその事業年度終了の日の最も近い日におけるその最終の売買の価格となります。
② 価格等公表者によって公表されたその事業年度終了の日における市場仮想通貨の最終の交換比率×その交換比率により交換される他の市場仮想通貨に係る上記①の価格(※2)
(※2) 公表された同日における最終の交換比率がない場合には、同日前の最終の交換比率が公表された日でその事業年度終了の日に最も近い日におけるその最終の交換比率に、その交換比率により交換される他の市場仮想通貨に係る上記①の価格を乗じて計算した価格となります。
また、評価損益を計上する仮想通貨は、自己の計算において保有する仮想通貨に限定されていますので、仮想通貨交換業者が顧客から預かった仮想通貨については、期末時価評価はしますが、評価損益の計上はしないこととされています。
なお、評価損益を計上した場合は、翌事業年度で洗替処理をします。
(注) 活発な市場が存在する仮想通貨とは、法人が保有する仮想通貨のうち次の要件の全てに該当するものをいいます。
イ 継続的に売買価格等(※3)が公表がされ、かつ、その公表がされる売買価格等がその仮想通貨の売買の価格又は交換の比率の決定に重要な影響を与えているものであること。
(※3)売買価格等とは、売買の価格又は他の仮想通貨との交換の比率をいいます。
ロ 継続的に上記イの売買価格等の公表がされるために十分な数量及び頻度で取引が行われていること。
ハ 次の要件のいずれかに該当すること。
(イ) 上記イの売買価格等の公表がその法人以外の者によりされていること。
(ロ) 上記ロの取引が主としてその法人により自己の計算において行われた取引でないこと。
【根拠規定】
法法61
法令 118 の7、118 の8、118 の9
以上です。