令和元年12月に国税庁の新しいFAQが公表されましたので、当ブログで数回に分けて特集しています。全部で32項目ありますが、今日は4番目の項目についてです。
当ブログの2018年12月24日 仮想通貨の取得価額に、条文の根拠が付く形になっています。
仮想通貨の取得価額については、次のように計算します。
ビットコインはBTCと表現されています。
(例)
国内の暗号資産(仮想通貨)交換業者からBTCを購入しましたが、その際に手数料を支払いました。この場合の購入した暗号資産(仮想通貨)の取得価額はどうなるのでしょう。
5月10日
2BTCを2,000,000円で購入した。購入時に手数料550円(消費税等込)を支払った。
(答)
この場合の暗号資産(仮想通貨)の取得価額は、購入代価の2,000,000円に手数料550円を加算した2,000,550円になります。
このように、購入した暗号資産(仮想通貨)の取得価額は、その支払い対価に手数料等の付随費用を加算した金額となります。
暗号資産(仮想通貨)の取得価額は、その取得の方法により、それぞれ次のとおりとされています。
取得価額は、その取得の方法により、それぞれ次のとおりとされています。
なお、取得価額は、購入手数料など仮想通貨の購入のために要した費用がある場合には、そ
の費用の額を含む金額となります。
① 対価を支払って取得(購入)した場合
購入時に支払った対価の額
② 贈与又は遺贈により取得した場合(次の③の場合を除く)
贈与又は遺贈の時の価額(時価)
③ 死因贈与、相続又は包括(特定)遺贈により取得した場合
被相続人の死亡の時に、その被相続人が仮想通貨について選択していた方法により評価
した金額(被相続人が死亡時に保有する仮想通貨の評価額)
④ 上記以外の場合
その取得時点の価額(時価)
※上記以外の場合とは、例えば、仮想通貨同士の交換、マイニング(採掘)、分裂(分岐)などにより仮想通貨を取得した場合をいい、その場合の取得価額は、取得時点の価額(時価)になります。なお、分岐により仮想通貨を取得した場合の取得価額は0円となります(後日、当ブログで説明します。)。
【参考】消費税の課税事業者(税抜経理方式を適用)である法人が、上記(例)の取引を行う場合の購入した仮想通貨の取得価額
上記の例では、暗号資産(仮想通貨)の取得価額は2,000,500円となります。
※1
消費税法では、仮想通貨などの支払手段等の譲渡は非課税とされていますが、仮想通貨交換業者に対して取引の仲介料として支払う手数料は、仲介に係る役務の提供の対価に該当し、消費税の課税対象になります。
※2
本件取引を行う者が、消費税法上の課税事業者に該当し、かつ、税抜経理方式を適用している場合には、手数料に含まれる消費税等の額(550円×10/110=50円)と課税取引の対価の額(550円-50円=500円)を区分し、課税取引の対価の額を仮想通貨の支払い対価の額に加算した金額(2,000,000円+500円=2,000,500円)が購入した仮想通貨の取得価額となります。
【根拠規定】
所法36,37,40
所令119の6
法法61
法令118の5
消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(平成元年3月1日付直法2-1)1~3
以上です。