仮想通貨については、当ブログにおいて、2018年12月12日~2019年2月4日までの記事ですでにご紹介とご説明をさせていただいております。
令和元年12月に国税庁の新しいFAQが公表されました。従来のものに加筆訂正されています。当ブログで数回に分けて特集したいと思います。全部で32項目あります。
なお、「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第28号)」により資金決済に関する法律が改正され、「仮想通貨」については、「暗号資産」に呼称変更することとされています(令和元年6月7日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることとされています。)。
前回の特集は、当ブログの以下の記事にあります。
2018年12月12日 仮想通貨に関するFAQを国税庁が公表
2018年12月26日 仮想通貨を分裂(分岐)により取得した場合
2019年1月11日 年間取引報告書を活用した仮想通貨の所得金額
2019年1月17日 仮想通貨の購入価額や売却価額が分からない場合
2019年1月19日 仮想通貨取引で損失が生じた場合の取扱い
2019年1月23日 仮想通貨を相続や贈与により取得した場合
2019年1月25日 相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法
2019年2月4日 財産債務調書への仮想通貨の価額の記載方法
今日は、32項目のうちの1番をご紹介します。
【1.暗号資産(仮想通貨)を売却した場合】
内容は、「2018年12月17日の記事」と同様ですが、「ビットコイン」の単位が「BTC」と表現されています。
仮想通貨を売却した場合は次のように所得金額を計算します。
(例)
5月10日
200万円で4BTCを購入した。
9月10日
0.2BTCを11万円で売却した。
売買手数料は考慮しないものとする。
(答)
まず、1BTCの原価を計算します。
200万円 ÷ 4BTC=50万円
(注) 譲渡原価は、総平均法又は移動平均法のうちいずれか選択した方法により計算した金額となります。
なお、当ブログの2019年6月14日の記事でも書きましたが、譲渡原価の算出方法を選択しない場合、個人においては総平均法、法人においては移動平均法となります。
次に、売却した0.2BTC部分の原価を計算します。
50万円 × 0.2BTC=10万円
最後に売却価額から原価を差し引いて、所得金額を計算します。
11万円-10万円=1万円
(注)その他の必要経費がある場合には、その必要経費の額をさらに差し引いた金額が所得金額となります。
このように、保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その仮想通貨の譲渡価額とその仮想通貨の譲渡原価等との差額となります。
【根拠規定】
所法36,37,48の2
所令119の2、119の5
法法61
法令118の6
以上です。