通称「仮想通貨」は、呼び名が「暗号資産」となり、平成31年度改正により、短期売買商品と同様に取り扱われることになり、「短期売買商品等」と表現されることになっています。
気をつけなければいけないことは、
法人税と所得税で、異なる
ところがあることです。
同じ銘柄の仮想通貨を複数回購入した場合の、仮想通貨の帳簿価額の譲渡原価の額を計算する場合における、その1単位当たりの帳簿価額の算出方法は、
移動平均法又は総平均法
とされています。どちらでも選択することができます。
ここで、一単位当たりの帳簿価額の算出方法を選定しなかった場合又は選定した算出方法により算出しなかった場合には、法定算出方法により算出することになります。
その法定算出方法が、法人税と所得税で異なるのです。
法人税の法定算出方法・・・移動平均法
(法令118の6⑦)
所得税の法定算出方法・・・・総平均法
(所令119の5①)
注意しないといけないですね。
なぜ、このような事になっているのかというと、移動平均法の計算方法が複雑であるからではないかとされています。
所得税の対象となる一般の納税者の負担軽減を考慮し、このようになっているのでしょう。
ちなみに、平成31年度税制改正よりも前に公開されていたFAQ(当ブログでは、2018年12月12日~2019年2月4日で特集しています。)では、「移動平均法で計算することが相当」とされていましたが、「継続して適用することを要件に総平均法で計算しても差し支えない」とされていました。
しかし、その時に一緒に公開された仮想通貨の計算書は、総平均法が前提となっていました。
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仮想通貨の1単位当たりの算出方法を選定する場合は、仮想通貨を取得した日の属する年分(法人は事業年度分)の確定申告期限までに、書面により納税地の所轄税務署長に届出をしなければならないことになっています。
その届出をしなかった場合には、個人の人は自動的に総平均法、法人の場合は自動的に移動平均法になります。
以上です。