役員給与に関しては、平成19年改正により、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のいずれかの要件を満たさなければならないものとされました。
その後、利益連動給与については、「利益」に関する指標に連動することが要件とされていましたが、平成29年度改正により「業績連動給与」と名称が変わり、「利益」だけではなく、「株価」や「売上」の状況を示す指標によることも可能とされました。
また、単年度だけではなく、複数事業年度の時点や期間の指標を用いることもできることとなっています。
しかし、実際のところ、業績連動給与は、各企業にはそれほど採用されていませんでした。
その原因の一つは、報酬委員会等による報酬を決定する手続が厳しすぎることがあるといわれていました。そこで、その「適正手続き要件」について、今回の税制改正が行われることになったのです。
≪旧法≫
(1) 業績連動給与を受ける「業務執行役員」が報酬委員会等の委員でないこと
(2) ① 監査役会設置会社における監査役の過半数が適正書面を提出した場合の取締役会の決定
及び
② 監査等委員会設置会社における監査等委員の過半数が賛成している場合の取締役会の決定
を必要とする。
とされていました。
≪新法≫
旧法の(1)と(2)の要件を廃止し、次の要件を満たせばよいこととされました。
(1) 業務執行役員が自己の業績連動給与の決定等に係る決議に参加していないこと
(2) ① 報酬委員会等の委員の過半数が独立社外役員であること
及び
② 独立社外役員の全てが業績連動給与の決定に参加していること
以上です。